「大連合」を読んで
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最終更新日:2024/10/07
書評
書評 大連合
この本は、山形市の本屋さんでみかけて買ったものだ。舞台は私が住んでいるエリアの新潟市の中央区だ。夏の地方大会を控えた日に、
試合の帰りのバスの事故に襲われた新潟成南高校野球部、指導者のパワハラで部活動が制限された鳥屋野高校野球部、この2校が連合チームを組むことになった
新潟の高校球児がいろんな障害を越えていく物語だ。
新潟成南高校野球部の事故のあとで、鳥屋野高校野球部の尾沢朋樹が「成南と鳥屋野で連合チームを組む」という思いつきは、野球以外の人間関係や、
大人の後援会との関係などでの悩みを越えていく。いろんな苦悩も、野球部を離れた友人や、パワハラ事件で信じられなくなった大人によって越えることになる。
さて、昨今、連合チームは珍しくはない。私の故郷の新潟県の下越でも、3高校が合同で夏の予選に出ることもある。
その際は、物理的に集まっての練習ができるほど近距離に書く高校があるのか、そして、この小説のように合同チームとしてのまとまりが難しいかもしれない。
この小説では、ユニフォームは新潟成南と鳥屋野でバラバラで試合に臨んでいる。
それにしても、高校野球の技術の進歩はスゴイ。尾沢朋樹をして、投手の変化球としてスプリット、ツーシームは持ち球として、
十分ありえることがよくわかったし、データを解析する女子部員の分析内容も十分説得力を持っている。
こういう、脱根性での野球アプローチが、ひょっとして、しがらみのない合同チームに向いているとしたら、
今後、現実に甲子園に出場する、合同チームが出てくる可能性は十分ある。
昨今の少子化、スポーツの多様化で、野球をやる高校生が減っているという。また、野球というスポーツは、他のスポーツよるも高額だ。
そういう部分も合同チームで解消される可能士があれば、甲子園への「新たな道」として十分ありだと思う。
「野球やろうぜ!」という言葉が軽快に響くことを祈っている。
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